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DIARY

2000/03/05(日)

荒野のガンマン
以前にこのサイトで、もんのすごい辛さのカレーの店の話を書いた。
ちなみに横浜の『バーグ』っていう店なんだけどさ。

先日また行ったんだよ。
そしたらまたまた面白い事があったのだ!
いやいや、面白いどころではない・・・驚嘆に値する場面に遭遇した。

今回は辛さや味のお話ではない。
オーダーしてから料理が出てくるまでの時間の話だ。

試しに『バーグ』に行って、“ダブルバーグ定食”をオーダーしてみて下さい。
そしたら俺の言いたい事がすぐに...それこそ20秒でわかります。

とにもかくにも、めちゃめちゃ早い!のだ。

カレーがメインの店なので、普通のカレーがすぐ出てくるのはわかる。
皿にライスよそってカレーかけたら「はいっど〜ぞ!」だろうから。

ところが、ところがである。
どんなメニューよりも、その“ダブルバーグ定食”は早いのだ。

「ご注文はお決まりになりましたか?」
「オレ・・・あっこれ、ブルバーグ定食ね。」
「ダブルハンバーグ定食ですね?はいっかしこまりました。」
そのまま店員はカウンターに向かって「ダブル一丁!」
カウンターからの元気のいい返事・・・「ホイッ!」

「おまたせしました。」

「・・・」

唖然とする俺の目の前のテーブルには、
すでにその“ダブルバーグ定食”が置かれているのである。

まさにイリュージョンだ!
まるで前もってオーダーが“ダブルバーグ定食”であると読んでいたかのような素早さ。
カレーと違って定食は盛りつけに時間がかかる。
それ以前にハンバーグはどうしたって焼かなくてはならない!
まさか焼いておいてチンではないだろう。
だいちチンも聞こえなかった・・・

吉野屋とか、立ち食いそばとかのスタンド店じゃないんだよ。
ちゃんとキッチンのある、俗に言う『街の洋食屋』なんだよ。

味よりも何よりも、その素晴しい仕事に感動を覚える傍ら、
「い・いったい・・・どうやって・・・???」
そればかりがしばらく、俺の頭の中のテーマになってしまった。

西部劇のガンマンを思い出した。
『荒野の七人』の世界だ。

たぶんカウンターの中の、彼の研ぎ澄まされた肉体は、
客がオーダーする時の“ダブルバーグ定食”と言う声の、
最初の“”という音を聞くやいなや、
もしくは、客の“ダブルバーグ定食”への渇望の気配を感じるやいなや、
すぐさま、もうほとんど反射的に、全ての行程を終えているのであろう。

まるで敵がガンに手をかけたわずかな気配、
もしくは敵の“殺気”を感じた瞬間、
その時にはもうすでに、反射的に敵を倒しているガンマンと同じ境地である。


敵にまわしたら恐ろしい男が、またここにもいたぜ・・・




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