DIARY
盆踊り
もうだいぶん以前のことになってしまうが、
ここで、我らが馬込銀座商店街の話をしたことがあった。
そう、あの山王ロマンチックストリートね。
今でも、さびれていく商店街をなんとかする為に
わりと無茶なイベントが時折開催されてはいるんだけれども、
（しかし、あの『どんどん土曜日』はもうだいぶん前に廃止されてしまった・・・うう）
残念ながらいっこうにその効果はないみたいで、
全然相変わらずの我が馬込銀座商店街なのだが・・・
さて、
先日、その商店街で毎年夏恒例の盆踊り大会が
超盛大に開かれた。
今年は事前の大プロモーションが効をそうしたのであろう。
そして今年は内容も気合が入っていた。
ゲストに迎えたお笑いタレントのショー（ちょっと無名）、
豪華な景品を取り揃えた抽選会（なんと一等はディズニーランドのパスポートなのだ！！）、
先着100名様への花火セットプレゼントなどなど・・・
そんな商店街の役員さんの汗と努力と気合が実を結んで、
例年にない規模と盛り上がりで、
馬込の夏の一夜が、とっても盛大にそしてとっても華やかに、
まるでリオのカーニバルのように、
なんと延べ80人くらいで大盛り上がりでした。
普通、盆踊りやお祭りっていうとたっくさんの人が集まるんで、
足の踏み場もないくらいに大混雑。
人とぶつかったり足踏んだり、歩きにくかったりで
踊るにせよ、ちょっと移動するにせよ、わりかし大変なんだけれども、
ご安心下さい！
・・・我が馬込銀座の盆踊りは、そんな心配はまったくご無用です。
ここでは、とっても優雅に、ゆとりのある盆踊りをお楽しみいただけます。
なんなら、踊りながらのバク転等の大技も全然オッケー。
誰かにぶつかる心配などなしに、
心ゆくまで大きな振り付けをお楽しみいただけます。
V6だろうがジャニーズJrだろうが、好きに踊ってもらってけっこうです。
ところでみなさん、“品川音頭”ってご存知か？
ここでも定番はもちろん“東京音頭”なんだけれども、
途中で何やらアナウンス。
「馬込銀座は大田区と品川区の境目です。
東京音頭ばかりじゃ不公平なので、
だから次の曲は“品川音頭”で〜す。」
ん？意味がわからん・・・
じゃぁ今のは、“大田音頭”だったんか？ん？
それとも、品川は東京じゃないっていうんか？は？
しかし、ここ馬込では、そんな疑問を持つ心の狭い人は存在しないのだ。
なんたって、優雅なゆとりの盆踊りだ。
アナウンスと共に、会場には拍手が沸き起こる。
品川の子供達も大喜びだ。「お〜っ、やっぱ品川最高〜〜！」
そして、盆踊りや夏祭りには欠かすことのできない大事なあれ。
そうです夜店を忘れてこまっちゃだめです。
バカにしちゃいけません。
ちゃんとここの盆踊りにも夜店くらいしっかり出てます。
もちろん商店街なんで、そこの各店も即席の夜店やったりはするんですが、
どうしてもシロウトのお遊びなんで、それ系はいまいちくん。
やっぱ夜店っていったら当然プロの“テキヤ”じゃないと全然ダメです。
おっ、ありましたありました。あっちに見えるのはプロの夜店です。
お面屋・たこ焼き屋・あんず飴屋・・・・・あれ？・・・
げ！
・・・おしまいです。
さすが馬込銀座の盆踊りはやっぱ違います。
少数尖鋭主義です。一点豪華主義です。
まったく無駄がありません。
ゴタゴタと無駄な夜店を並べて、スペースを無駄になんてしないのです。
これも、たっくさん集まってくれるお客さまへの心配りです。
この配慮が、この優雅さと、ゆとりにつながるのです。
そして、あちらではとうとう今夜のメインイベントが始まります。
太鼓の乱れ打ちです。
聞こえてきました・・・まさに夏祭り。
どんどんどんっ！どんどんどんっ！
威勢のいい太鼓のリズムが、
いやがおうでも、日本の夏のムードを盛り上げていきます。
さぞかし粋な若者が・・・たぶん青年会のみなさんでしょう・・・
熱い汗と若さをその“ばち”に込め、
伝統的な情熱のリズムを打ち鳴らしているに違いありません。
私もそのリズムに引き寄せられ、
思わずそばに行ってしまいました。
ん？
なんとそこで太鼓をたたいているのは、何人かの小学生ではありませんか・・・げ。
しかも浴衣の女のコとかです。
ふざけ半分です。
遊んでいます。
「なんじゃこれ？」
よく見るとそばで、おじさんがへばっています。
ようやく現場が飲み込めました・・・
叩き手のおじさんが、すぐへばってしまったんです。
んで、見ていた小学生が面白半分に飛び入り参加したってわけです。
う〜ん・・・さすが馬込銀座。
助け合いの精神で地域がひとつにまとまっています。
こういった子供達がいるから、馬込銀座の将来は安泰です。
そんなこんなで、今年もまた馬込の真夏の夜はふけていきます。
嗚呼、馬込銀座商店街万歳！
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