ぶっちぎりインターネット

第7回
『喧嘩上等!必殺ネットバトルの巻』





『横浜銀蝿のぶっちぎりインターネット』(DOS/V USER 11月号 原稿)


《タイトル》
喧嘩上等!必殺ネットバトルの巻

《本文》

いきなりで何なんだが、俺は平和主義者である。
暴力反対である。恐いのも痛いのも大きらいである。
ましてや血を見るのなんてもう絶対にパスだ。
だから先日五反田で、
俺のスイートな日常に、平和を乱す不届き者が現われた時にも、
穏やかにやさしく紳士的に、便器の水をたっぷりと飲んでいただいた。

さてさて、
それにしてもどうしてこう世の中争いが絶えないのであろうか?
体内のテストステロン値が基準を上回る輩(やから)が
今夜もあたりをウロウロしている。

結論としていうと、
18過ぎたら喧嘩なんてもんはやらないがいいに決まっているのだ。
男はまるで木鶏のごとく
これがカッコイイと思うんですが・・・

でもでもそうとはいっても、世の中見境のないバカたれも存在しているわけで、
やっぱ男ならばイザという時の為に常日頃から
精神と身体を緊急時にそなえておかなければならん。
んでそれができてはじめて、木鶏たれるわけだ。

坂本竜馬も普段、今頭の上から岩が落ちてきたらどうすっか?
みたいな事考えながら道歩いてたみたいだし、
だいち男ならやっぱ、自分はさておいても、
大事な人を守るってのが最大の使命だったりするんで、
やっぱ普段からのそんな心構えは、とっても肝心なんではなかろうかと思うのである。
だからみなさん、カーセックスの時は絶対にドアロックを締めましょう!だはは

喧嘩の必勝法?んなのは簡単。
負ける喧嘩はやらない
それと、絶対に勝つまでやめない
この2つの原則さえ忘れなければ、もう君は立派なリンダマン

パンチ?キック?んなのは使えましぇん。
ガキのケンカならまだしも、
大人になったらプロやセミプロが街中ゴロゴロいるわけで、
そんな相手とカッコつけてなまじ映画のようなイメージで戦ったら
ボコボコにされちゃいます。

君子あやうきに近づかずが大原則なんですが、
万が一、そんな事態に出くわしてしまったならば、
その時けっしてイキがってはいけません。
喧嘩したらやっぱこっちも怪我しますからね。ははは
その場ではアドレナリンのおかげで痛みはわからなくても、
絶対次の日くるんだものこれが。
やはりあくまでも紳士として和解につとめるのが大人です。

避けて避けて、でももうこれはしかたないなと思った時だけ
いきなり豹変して下さい。まるでバンパイアの様に・・・

イメージとしては、いきなり飛びかかる野獣ですね。
まさかの鼻へのチョーパン。んで後は金玉です。
全体重で体当りしてマウントポジションが理想ですね。
はじまっちゃったら殺すつもりでやりましょう。
思う存分野生の王国の世界にひたって下さい。

すでに君はゴリラやライオンや虎です。
よだれを垂らし、うなり声をあげながら、ひたすらボコボコにして下さい。
相手に恐怖心を植え付けなければ後が面倒です。
かまうもんか。どうぞいっちゃって下さい。
ヒヒヒとかケケケと笑いながら狂った様に殴り続けるのも恐いです。
キレるっていうのはこういうことだっていう事を
相手やギャラリーに思い知らせてやりましょう。

そこまでで、おそらく実際には30秒もかからないと思いますから、
後は人間に戻ってさっさとその場を離れて下さい。

たぶんあなたは興奮で、目はイってるし、手足はブルブル震えてると思いますが、
催眠術から覚めた時の被験者のイメージで、ふっと我に帰って下さい。
そのままそこにいたら警察に捕まるのはあなたです。

もし相手が複数もしくは武器を持っていたならばどうするか?
答えは簡単です・・・走って一目散に逃げましょう
イメージはゴキブリです。命がけで走って下さい。
そんな時の為にも、普段からしっかりと走り込んでおくのが長生きの秘訣です。

最悪の場合・・・そうです。
よってたかってボコボコにされてしまったら・・・
ボロボロになりながらも絶対だけは守りましょう。
そしてしっかりと相手のを脳裏に刻みます。
一生やつらの顔を忘れてはいけません。
怪我が直ったら、1人づつ地の果てまででも追っかけてお返しです。
卑劣なヤツには容赦はなしです。
あの時にあなたを殺さなかった事を後悔させてやりましょう。

あれれ・・・なんか物騒な内容になってしまっている。

念の為に、もいちど言っておくが、俺は平和主義者である。
暴力反対である。恐いのも痛いのも大きらいである。
趣味は孫の世話と釣りと盆栽いじりだ・・・うそうそ。

って事でここから話題を無理矢理インターネットにもっていくんだけれども、
ネット上でもやはり、イザコザや争い、イジメは日常茶飯事だ。

そんな時にいっとう健全なのは、
IPから本人割り出してそいつの所行ってぶっとばすってことなんだけれど、
なかなかどうして、ネットで喧嘩ふっかけてくるヤツなんて、
その辺の所はしっかり通してたりするんで、簡単には特定できない事が多い。

っていうか、
そもそもみんな掲示板とかチャットで喧嘩した事ありますか?
あれあったまくんだよな。まじで。
もどかしいっていうかイライラするっていうか、不健全きわまりない。
あまりにムカついてディスプレイに灰皿ぶつけちゃいたくなるでしょう?

ネットのトラブルはその匿名性からか、とっても陰湿なカンジ。
そんで実際に殴られるよりも、文字の攻撃は心にグサっとくる場合が多い。
ネット上の他人の喧嘩やイジメを、はたから見ているだけでもかなり気分悪いじゃん?

なので俺がネットバトル必勝法を考えました。
題して分身の術作戦

掲示板やチャットで因縁つけられた場合、
本当は無視ってのが一番なんだけれど、
やっぱシャクにさわるんで何とか応戦したいのが人情。
でも、まに受けて1対1でウダウダ喧嘩すんのはとてもバカバカしい。

相手も、あなたからの反撃は当然覚悟の上で喧嘩ふっかけてきてますから、
あなたからの攻撃は痛くも痒くもないはずです。

そんな時には忍法分身の術です。
好き勝手な人物になりきって色々なハンドルでそいつに総攻撃しちゃいましょう。
どうせネットのバーチャル喧嘩なんで、卑怯もへったくれもありません。
要は気持ちがおさまればいいだけなんで、多勢に無勢でフクロにするわけです。

なるべく強そうな、頼りがいのある助っ人を登場させて下さい。
皆殺しのバラード喧嘩上等血まみれBOY特攻鬼瓦みたいな、
なんかとっても恐ろしそうな(?)怪しい人物にバンバンなりきって
よってたかりましょう。

女性ハンドルできっつい事言うのも効果的かもしれません。
実際女性の方が残虐だからね。ははは
ネットアイドル風の可愛いハンドルやレディース系の漢字名ハンドル。
最後には虎子象子とかいったワイルドな女性の登場も強力かもしれません。

そこまで行くと、読んでるギャラリーの中にいる弱い者イジメの愛好家が、
ここぞとばかりに勝手に助太刀してくれます。

かくして、あなたに突っかかってきたバカたれは
もうそこにはいられない事になっているでしょう。

めでたしめでたし。

-了-








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