ぶっちぎりインターネット

第4回『ネットアイドルを斬る!』




最近は、個人でホームページやってる女の娘もバシバシ増えてきて、
中にはとても人気があって、ほとんどアイドル化してる娘も存在する。
っていうか、はなから野郎どもを集めるが為にサイトをやってるって娘もいて、
あげくのはてには“ネットアイドルプロデューサー”とか言っちゃった
訳のわからん肩書きのやからも現われ、
男達のアクセスをかせぐ為のまるで“大嘘”のサイトをつくり上げていたりする。
普通にホームページやってる間に、自然に人気出ちゃった素敵な娘のサイトも確かにあるだろうが、
んなのはごくごく一部のお話。
ほとんどのサイトでは日夜、まんまと策にはまった野郎どもと、
お姫様である“似非アイドル”との、よく考えると笑っちゃうやりとりが繰り広げられているのだ。
そんな世界を今回はテーマにしてみたい。



『横浜銀蝿のぶっりぎりインターネット』(DOS/V USER 8月号 原稿)


《タイトル》

第4回『ネットアイドルを斬る!』

《本文》

突然いきなりで何なんだが、俺はオンナが大好きだ。
この世にオンナが存在するかぎり俺は俺であり続けたいと思うくらいに、
どう考えてもオンナが大好きなのだ。
尊敬もしてるし感謝もしてるし、やっぱ偉大だとも思うし一枚上手だとも思う。
とにかく俺はとっても素直なフェミニストである。
だからと言っちゃまた何なんだが、それゆえ余計にオンナが大きらいである。
まさに天敵だとも思っている。人生40年のほとんどの災難はほとんどオンナがらみと
言っても過言ではない。
オンナさえ、オンナさえいなければもっともっと後悔のない健全な日々を
幸福にそして有意義に暮らせるのではないかと常日頃思うのだ。
この人類誕生以来のアンビバレンツの狭間で苦悩する男達のエネルギーが、
有史以降数々の出来事や修羅場、偉大な功績や発明を生み出し、
そんでその勢いで、今日もまた全世界でティッシュペーパーやおしぼり、
はたまたゴム製品が大量に消費されていくのだ。
そんな悲しい男の性(さが)が、また新たに、非常にばかげた現象を起こしている。

『ネットアイドル』・・・この言葉をご存知であろうか?
(そだね、ここの読者なら当然知ってっか・・・)
そう、簡単に説明すっと、読んで字の如くネット上のアイドル。
もちろんプロのアイドルのホームページって事ではない。
ネット上にはびこる、ふざけた“なんちゃってアイドル達”の事だ。

サイトに群がった野郎共のご機嫌とりのカキコと
自分をめぐっての競い合いをながめながら、
いい気になって図に乗ってお姫様気分を満喫しているあんぽんたんギャルども。

思惑見え見えなんだけど、きっちり“つぼ”を押さえたホームページ。
パターンとしては、まずマメに更新される本人画像。
ちょっとだけそそる様なわざとらしい上目使いの写真。
んで肩とか出しちゃったり、“だっちゅうのポーズ”で谷間強調したり。
さもなきゃいかにも“私のお部屋”で撮りました的な写真。
もちろん顔とかは、しっかりピンボケ。
んで日記たるやもう流石。
読んだ男達が思わずメール出したくなっちゃうように書いてある。
無邪気に可愛くかつ適当に天然入れて、すこ〜しだけえっちだったりもする訳。
悩みがあったり、反対にどんな悩みも聞いてくれそうだったり。
もう、すぐ手が届きそうな、まるでそこにいるみたいな距離感を演出する。
あと中には、毎日のセックスライフを日記に綴ってる大技使いもいたりする。
バカな男は「次はオイラの番かもしれないぞぉ。」とかそんな気になりながら、
せっせと左手でメールを送信、せっせと右手はコキコキなのだ。

まんまとばっこり策にはまった下心渦巻く野郎共は、
いつの間にか、あたかもお姫様と求愛するナイト達、
もしくは、女王様とかしずく下僕達の様な図式の中で、
日夜、お姫様のご機嫌取りと、ライバル達との小競り合いを繰り返す。

しかも彼女達の大半はプロではない。
一般の、しかもきっと街であったらどってことない女の娘達である。
まさに、女の娘にとっては最高の気分を満喫できる仮想の天国。
結局ネットなんだから、気分だけ充分味わって、後は適当にあしらってればいいんだし、
だいち、写真だって日記だって“大嘘”だってわかんないんだもん。
もしかしたら可愛い友達の写真使ってるのかもしんないじゃんか?
大体において、もしよ、もしそんなにまじ可愛いギャルだったならば、
男どもがほうっておく訳ないんで、そんな毎日ネットやってる場合じゃないじゃんか。
つまりは結局、ほとんど暇こいてるインチキアイドルだって事だ。

冒頭にも書いたが、俺はとっても本能には素直なのだ。
たとえどんなに思惑見え見えだろうとも、「こりゃ“つくり”だ」と解っていても、
そんな策略に喜んでバッコリはまらせていただくタイプの人間だ。
何度も言わせてもらうが、俺は超素直なフェミニストなのだ。

しかし、だからムカツクのだ。
ネットアイドルの笑顔やカキコの裏に見え隠れする、
「男なんてこんなもんよ」ってな男に対するオンナの見切りが、
まさに当たってる分、余計に超ムカツクのだ。

敵ながらあっぱれと言うレベルではない。
もう最初から勝負になんてなってない。
男は思考とはまた別の脊髄反射に支配されている悲しい生き物である。
現実だろうがバーチャルだろうが、ムスコにとっては、んな事はほとんどささいな事だ。
結局男は手も足も出ないのだ。出るのはまん中の足と多少の蛋白質ばかり。

しかし俺は思うね。
実生活でのアイドルならいざ知らず、バーチャルな作戦で勝負するしかない娘が、
どうせ全世界に向けて自分の事をアピールし、
ネットの世界で野郎共のアイドルとして君臨したいのであるならば
、 アクセスしてきたヤツみ〜んなとやっちゃうような器量を持つべきである。
そこまでいってくんないと『ネットアイドル』としての資格はない!
いやいや少なくとも俺は認めない。

だってよ、そそらさしてそんだけじゃ無責任だろうが。
きっちり最後までみんなの面倒見て初めて、みんなのお姫様として君臨できるのだ。
それが出来ないのならば、最初から野郎共をそっとしておいてもらいたい。
寝た子を起こすようなマネすんなら、それなりの自覚と覚悟が必要である。

ここまで書いてきて話が脱線するが(だって急に思い出した事がある)、
遊んでると仲間内に必ず、俗に言う“やりまん”ちゃんがいたりすんじゃない?
んでハンパな“やりまん”は男から見ても「げ!なんだあいつ」ってなカンジなんだけど、
その道を極めた立派な“やりまん”だとさ、なぜか不思議と一目おかれるようになるんよ。
まるでみんなの“肝っ玉かあさん”みたいなさ。
なんていうか大きさというか度量というか、まさに大地のような包容力。
その存在と優しさは、仲間内だけでなく地球上の男性全体をも温かく包み込んでしまう。
そこまでいくと、“やりまん”もナイチンゲールにまさるとも劣らない域に達するのだ。

話を戻そう・・・

日本中の『ネットアイドル』諸君よ。
一刻も早く、そんなつまらんちまちました“似非(えせ)アイドル”から脱皮して、
ネット世界のナイチンゲール、ネットのマザーテレサとなってもらいたい。
それが君達の存在意義なのだ。だははは








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